本当の親切はいつか必ず自分へと返ってくるもの

これを積み重ねていくと、必然的にあなたには良いことがめぐりめぐってくるのです。そして、あなたは物質的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさをも手に入れます。

大切なことは「今、こうやって貸しを作っておけば、将来、何倍にもなって返ってくる」という下心がないこと。決して、相手に「あの時、助けてやっただろう」と恩着せがましく言ってはいけません。そのような言葉を口にしたとたん、あなたのこれまでの「徳」が水の泡になってしまいます。

欧米では、昔から才能がある芸術家や音楽家に金持ちのパトロンがついて経済的に援助しました。そして、その音楽家や芸術家が大成したら、優先的に作品をもらったり、ロイヤリティーの一部をもらったりして「不労所得」にしていました。もちろん、もともと金持ちなのですから、お金が目当てではなく、どちらかというと無名の才能ある新人を自分が発掘したという「プロデューサー的な喜び」のほうが強かったと思われます。

さて、実際に世界の富める男達と小金持ちの違いをご説明しましょう。

ある都市に2人の金持ち(AさんとBさん)がいました。2人とも、芸術家が集まるおしゃれな地区に現在は空室になっている1LDKのマンションを所有していました。そこに、知人の紹介でまったく無名の芸術家と知り合いました。若くて無名の新人は、その芸術家が多く集まるおしゃれな地区でアパートを借りるお金がありません。

そこで、まずAさんが自分の1LDKのマンションを提供しました。「このあたりの相場は20万円だけど、キミには10万円で貸してあげよう」と言いました。芸術家がAさんの会社に部屋の鍵を取りに来ると、予告もなしに「ちょっと、私と家族のポートレートをカンタンに描いてくれないか? その次はここにいる親戚と、そうそう、このペットのイラストを頼むよ」と、しっかり差額の10万円分を取る行為をしました。

その数カ月後、芸術家はBさんと知り合いました。「私も同じ地区に空き部屋を持っているから、明日からでも引っ越しておいで。どうせ誰も使っていないから家賃はいらないよ」と言うBさんに芸術家が「それでは申し訳ないから少しでも家賃を払わせてくれ」と頼むと、「じゃ、もしキミが有名になって美術学校などの学校法人を作った時には、理事をさせてもらうよ」とBさんは笑いながら言ったのです。

「はした金」は受け取らず相手に「貸し」を作る

わかりますか? 2人の金持ちにとって、もともとその部屋は「空室」であり、10万円は「はした金」です。ならば、金を受取らず「貸しを作っておく」ほうが、ずっと賢いのです。Bさんは「キミが将来きっと成功すると信じているよ」と応援し、一方のAさんは「君がどうなるかわからないから、今のうちに差額の10万円分をもらっとくよ」というメッセージをこの新人芸術家に送ったのでした。

新米の山科でした。