初めから相手に「ノー」の選択肢を与えない

説得は煎じ詰めれば、相手に「イエスかノー」を突きつけることといってもいいでしょう。しかし、相手は簡単にイエスとは言ってくれません。ところが、必ずイエスの答えが返ってくる方法があるのです。それが選択肢限定法です。お客さまに対しても、「この商品はいかがですか?」と聞くと、答えはイエスかノーで返ってきます。

「選択肢限定法」は、説得者が相手に「イエスかノー」を聞くのではなく、結果的に承諾を意味する選択肢のみを並べ、相手に「ノー」と言わせないようにして説得する方法です。

説得者は相手に選択肢を与えますが、その中に「ノー」という選択肢はありません。相手は与えられた選択肢の中から選ばざるを得なくなり、要請に応じやすくなります。

たとえば、「面会に応じていただけますか?」と聞くよりも「火曜と木曜と金曜のどの日が都合がいいですか?」と聞けば、相手は「ノー」と答えにくくなります。「募金に応じていただけますか?」と聞くよりも「1000円、2000円、5000円、1万円のうち、おいくら寄付していただけますか?」と聞けば、相手は1000円と言うのもケチだと思われるのではないかと考え、2000円か5000円と答える可能性が高くなります。

このテクニックを使うのは、説得者にとってどの選択肢が選ばれるかということよりも、相手に「イエス」と言わせることが重要な場合です。

「選択肢限定法」が有効である理由は、説得される側が説得者に対して遠慮ないし気兼ねを感じるからではないでしょうか。気の弱い人や悩みを抱えている人は、自信たっぷりの説得者に抵抗しきれず、選択肢の中のどれか1つを選んでしまうと考えられます。

また、「選択肢限定法」は、相手に説得されたという意識を生じにくくさせます。与えられた選択肢の中から相手自身が1つを選ぶわけですから、選ぶことを強要されたというより、自分で決定したと思う度合いが高くなるからです。自分自身で決定したことについては、それを実行する可能性が高くなります。

いかがですか? なるほどと感じられますよね。こんな話法も身につけたいものですね。

新米、山科でした